オールカントリーとオールカントリー(除く日本)のどっちが有利?メリット・デメリットを徹底比較!

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)はどっちがおすすめ?

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)はどっちもよく似ている投資信託であり、主な違いは日本株式に投資するかしないかです。

そこで本記事では、オールカントリーのメリット・デメリットオールカントリー(除く日本)のメリット・デメリットを比較し、オールカントリーとオールカントリー(除く日本)のどっちがオススメかを紹介します。

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)の比較のポイントも紹介しているので、是非最後まで見てください。

執筆者情報

1988年生まれ
公認会計士税理士

株式・投資信託・FX・仮想通貨・NISA・iDeCoなどの税務対応支援を行っています。
個人でも投資・ファイナンス理論を勉強し、株式投資やNISAつみたて投資をしています。


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目次

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)の違いを比較

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)の基本情報は、次のとおりです。

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
基本情報(ファンドの規模など)
純資産額(ファンド規模)3兆8170億円5,119億円
基準価格(1口あたりの値段)24,220円24,485円
連動対象(ベンチマーク)MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)
(配当込み、円換算ベース)
投資先
投資先の国米国(62.7%)
日本(5.4%)
イギリス(3.3%)
カナダ(2.6%)
フランス(2.5%)
スイス(2.2%)
インド(2.0%)
ドイツ(1.9%)
台湾(1.8%)
オーストラリア(1.6%)
その他
米国(66.2%)
イギリス(3.5%)
カナダ(2.8%)
フランス(2.6%)
スイス(2.3%)
インド(2.1%)
台湾(1.9%)
ケイマン諸島(1.4%)
韓国(1.3%)
中国(1.0%)
その他
為替リスクありあり
NISAで買えるか?
つみたて投資枠
成長投資枠
買える場所SBI証券・楽天証券など
(主要な証券会社で購入可能)
SBI証券・楽天証券など
(主要な証券会社で購入可能)
平均利回り(リターン)
平均利回り(リターン)【年率】16.22%14.76%
パフォーマンス(運用実績)
6ヶ月9.67%10.51%
1年18.84%19.32%
3年14.46%14.69%
5年18.94%19.30%
手数料
購入手数料なしなし
信託報酬【年率】0.05775%0.05775%
隠れコスト【年率】0.055%0.058%
実質コスト【年率】0.113%0.116%
ポイント
ポイント付与率(年率)楽天証券だと、ポイントなし
SBI証券の投資マイレージだと0.0175%
楽天証券だと、ポイントなし
SBI証券の投資マイレージだと0.0175%

(2024年8月16日 10:00 更新)

以下、それぞれ解説します。

基本情報(ファンドの規模など)

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
純資産額(ファンド規模)3兆8170億円5,119億円
基準価格(1口あたりの値段)24,220円24,485円
連動対象(ベンチマーク)MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)
(配当込み、円換算ベース)
運用会社三菱UFJアセットマネジメント三菱UFJアセットマネジメント
設定日(ファンド設立日)2018年10月31日2018年3月19日
決算日4月25日4月25日
分配金なし(自動再投資)なし(自動再投資)

(2024年8月16日 10:00 更新)

ファンドの規模は、オールカントリーが3兆8170億円、オールカントリー(除く日本)が5,119億円であり、オールカントリーの方が約7倍大きいです。

ファンドの規模が大きいとそれだけ人気があることを意味し、多くの投資家から支持されていることになります。

そのため、ファンドの規模で選ぶならオールカントリーの方がおすすめです。

投資先|オルカンとオルカン(日本除く)の投資割合

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
組入資産および比率国内株式(5.4%)
先進国株式(除く日本)(84.4%)
新興国株式(10.1%)
外国株式(先進国株式)89.4%
外国株式(新興国株式)10.6%
投資先の国米国(62.7%)
日本(5.4%)
イギリス(3.3%)
カナダ(2.6%)
フランス(2.5%)
スイス(2.2%)
インド(2.0%)
ドイツ(1.9%)
台湾(1.8%)
オーストラリア(1.6%)
その他
米国(66.2%)
イギリス(3.5%)
カナダ(2.8%)
フランス(2.6%)
スイス(2.3%)
インド(2.1%)
台湾(1.9%)
ケイマン諸島(1.4%)
韓国(1.3%)
中国(1.0%)
その他
主な運用資産株式、株価指数先物取引株式、株価指数先物取引
投資上位5銘柄
(銘柄・業種・比率)
APPLE INC(米国:情報技術)4.2%
MICROSOFT CORP(米国:情報技術)3.9%
NVIDIA CORP(米国:情報技術)3.4%
AMAZON.COM INC(米国:一般消費財・サービス)2.2%
ALPHABET INC-CL A(米国:コミュニケーション・サービス)1.7%
APPLE INC(米国:テクノロジ・ハードウェア・機器)4.5%
MICROSOFT CORP(米国:ソフトウェア・サービス)4.1%
NVIDIA CORP(米国:半導体・半導体製造装置)3.6%
AMAZON.COM INC(米国:一般消費財・サービス流通・小売り)2.4%
ALPHABET INC-CL A(米国:メディア・娯楽)1.8%
為替リスクありあり
通貨配分比率米ドル(61.6%)
円(5.3%)
ユーロ(4.6%)
英ポンド(3.5%)
カナダドル(2.6%)
スイスフラン(2.1%)
インドルピー(2.1%)
台湾ドル(1.7%)
その他
米ドル(65.6%)
英ポンド(3.5%)
ユーロ(2.9%)
カナダドル(2.8%)
スイスフラン(2.3%)
インドルピー(1.8%)
台湾ドル(1.7%)
(日本除く)その他先進国(12.8%)
その他新興国(3.3%)
その他

(2024年8月16日 10:00 更新)

オルカンとオルカン(日本除く)は、どっちも先進国・新興国の株式に分散投資を行っています。

そのため、国別・通貨別・上位5銘柄などを見ても投資割合が非常に似ており、主な違いは日本株式に分散投資をしているか否かという点のみです。

この違いは、オルカンは「MSCI ACWI 」、オルカン(日本除く)は「MSCI ACWI ex Japan」をベンチマークとしているためです。

ベンチマークの指数に連動させるため、オルカンとオルカン(日本除く)の投資割合は日本株の部分で異なります。

NISAで買えるか

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
つみたて投資枠購入できる購入できる
成長投資枠購入できる購入できる
買える場所SBI証券・楽天証券など
(主要な証券会社で購入可能)
SBI証券・楽天証券など
(主要な証券会社で購入可能)

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)は、どっちも新NISAで購入できます。

また、どっちも新NISAの「つみたて投資枠」「成長投資枠」を使うことができます。

平均利回り(リターン)

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)の平均利回り(リターン)は、次のとおりです。

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
平均利回り(リターン)【年率】16.22%14.76%
計算Excel計算根拠Excel 計算根拠Excel

(2024年8月16日 10:00 更新)

上記の平均利回りは、ファンド設立日(設定日)からの基準価格の推移を集計し、そこから幾何平均(複利計算を考慮)により算出しています。

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)の違いは投資先に「日本株を含めるか、含めないか」だけなので、違いはほぼありません。

ただし、日本株式の株価急変動により、オールカントリーとオールカントリー(除く日本)のリターンが一時的に乖離する可能性はあります。

【参考:ベンチマークのリターン】

ベンチマーク(MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス指数)のリターンは下表の通りです。

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
連動対象(ベンチマーク)MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)MSCI All Country World ex Japan Index(MSCI ACWI ex Japan)
1年17.02%17.06%
3年5.75%5.82%
5年11.05%11.26%
10年8.74%8.93%

(2024年8月16日 10:00 更新)

上表の通り、オールカントリーとオールカントリー(除く日本)の大きな違いはなく、両者はほぼ同じと言えます

運用実績(パフォーマンス)

オールカントリーは2023年10月31日、オールカントリー(除く日本)は2018年3月19日に設立されており、運用実績は次のとおりです。

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
6ヶ月9.67%10.51%
1年18.84%19.32%
3年14.46%14.69%
5年18.94%19.30%

(2024年8月16日 10:00 更新)

上表は指定期間に対しての運用実績を表しています。

例えば、6ヶ月間のリターンを求める際は、リターンを計算する日から遡って6ヶ月前の基準価格がどれだけ増減したかを%で算出します。

極端な例として、今日が7月1日で「1月1日の基準価格が2,000円」だった場合、7月1日にその価格が2,400円になっていれば、6ヶ月のリターンは20%となります。
(同様に、1年のリターンは1年前の7月1日の基準価格を用い、3年のリターンは3年前の7月1日の基準価格を用いてパフォーマンスを計算します)

上表の運用実績をみると、オールカントリーもオールカントリー(除く日本)もマイナスがなく、10%~20%超の高い運用実績を記録しています。

手数料

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)の手数料は、次のとおりです。

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
購入手数料なしなし
信託報酬【年率】0.05775%0.05775%
隠れコスト【年率】0.055%0.058%
(うち、売買委託手数料)0.006%0.006%
(うち、有価証券取引税)0.019%0.019%
(うち、その他費用)0.030%0.033%
実質コスト【年率】0.113%0.116%

(隠れコストは直近の運用報告書を参照)

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)の手数料を比較すると、差はわずか0.003%(100万円あたり30円)です。

そのため、オールカントリーとオールカントリー(除く日本)はどっちもほぼ同じで、大きな違いはないです。

ポイント

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)のポイント付与率は、次のとおりです。

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
ポイント付与率(年率)楽天証券だと、ポイントなし
SBI証券の投資マイレージだと0.0175%(10万円あたり17円)
楽天証券だと、ポイントなし
SBI証券の投資マイレージだと0.0175%(10万円あたり17円)

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)のポイントは、どっちも全く同じで差がありません。

オールカントリーのメリット・デメリット

オールカントリーのメリット・デメリットは次のとおりです。

オールカントリーのメリットオールカントリーのデメリット
全世界株式に分散投資が可能
先進国・新興国のそれぞれの経済成長の恩恵を受けられる
信託報酬(手数料)が低い
ファンドの規模が大きい
集中投資(例えばS&P500のみ等)をした場合より平均のリターンが少なくなる可能性がある
日本の個別株式を保有している場合、日本の投資比率が高くなる
新興国のリスクを含

以下、それぞれ解説します。

オールカントリーのメリット

オールカントリーのメリットは、以下のとおりです。

オールカントリーのメリット解説
全世界株式に分散投資が可能先進国や新興国に幅広く分散投資し、特定の一国に頼らないことで「為替リスク」や「カントリーリスク」による値動きの影響を抑えることができます。
先進国・新興国のそれぞれの経済成長の恩恵を受けられる全世界の株式に投資することで、米国などの安定した市場の成長のみでなく、新興国の高い成長ポテンシャルのリターンを狙うことも可能です。
信託報酬(手数料)が低いオールカントリーの信託報酬は0.05775%であり、投資信託の中でもかなり低い水準です。
また、実質コストも0.113%と投資信託の中でも低いため、長期的に投資が続けやすくなります。
なお、インデックスファンドの信託報酬の目安は0.1%~0.3%程度であり、オールカントリーは目安より低い手数料となっています。
(参考:金融庁「つみたて投資枠対象商品の信託報酬率の分布」)
ファンドの規模が大きいファンドの純資産額は3兆7,592億円であり、投資信託の中でも相当大きい規模です。
一般的に、ファンドの規模が大きいとスケールメリットを得られるため手数料(実質コスト)が低くなります。

NISA長期投資をするにあたって、オールカントリーは上記メリットがあります。

オールカントリーのデメリット

オールカントリーのデメリットは、以下のとおりです。

オールカントリーのデメリット解説
集中投資より平均のリターンが少なくなる可能性があるオールカントリーは新興国を含む様々な国の株式に投資分散を行うため、例えばS&P500のみに投資した場合と比較してリターンが低くなる傾向があります。
日本の個別株式を保有している場合、日本の投資比率が高くなるオールカントリーは日本の株式にも投資しているため、日本の個別株式に投資をしている場合は日本の投資比率が高くなり、リターンが日本経済に左右されるリスクが高まります。
新興国のリスクを含んでいるオールカントリーは新興国を含む様々な国にも投資をするため、政治・経済・為替・金利・法規制・財政などの要因で急激な値動きが発生し、大きな利益を得るチャンスもありますが、逆に損してしまう可能性もあります。ただし、オルカンの6割は米国株式で構成されているため、新興国の影響で投資全体が急激に損失になるリスクは抑えられています。(参考:内閣府「新興国経済のリスクと可能性」)

NISA長期投資をするにあたって、上記はオールカントリーのデメリットです。

オールカントリー(除く日本)のメリット・デメリット

オールカントリー(除く日本)のメリット・デメリットは、次のとおりです。

オールカントリー(除く日本)のメリットオールカントリー(除く日本)のデメリット
全世界株式に分散投資が可能
先進国・新興国のそれぞれの経済成長の恩恵を受けられる
信託報酬(手数料)が低い
ファンドの規模が大きい
日本経済への依存を回避できる
集中投資(例えばS&P500のみ等)をした場合より平均のリターンが少なくなる可能性がある
新興国のリスクを含
日本経済の成長の恩恵を受けられない

オールカントリー(除く日本)は、日本の個別株式にも投資している場合などは過度に日本に依存するリスクを回避できるメリットがあります。

一方、日本の成長に期待している場合には、日本経済の成長の恩恵を受けられないデメリットがあります。

なお、オールカントリーとオールカントリー(除く日本)はほぼ同じ投資信託であるため、ほとんどのメリット・デメリットは先述のとおりです。
(大きな違いは、日本国に6%弱の投資をするかしないかのみ)

オールカントリーとオールカントリー(除く日本)のどっちがオススメ?

「オールカントリー」と「オールカントリー(除く日本)」はどっちも全世界株式に投資しており、投資信託の内容が酷似していますが、それぞれ次のような人にオススメです。

オールカントリーがオススメな人オールカントリー(除く日本)がオススメな人
人気の投資信託に投資したい人
日本の経済成長に期待している人
日本の個別株式を保有していない人
日本の経済成長に期待しない人
個別の日本株式を保有している人

以下、それぞれ解説します。

オールカントリーがオススメな人

オールカントリーは、人気の投資信託に投資したい人にオススメです。

なぜなら、オールカントリーは非常に知名度と人気のある投資信託であり、様々な人から選ばれているからです。

人気の投資信託ということは「安全性」「過去実績」の面で優れている可能性が高く、周囲の評判・口コミも考慮して投資信託を選びたい人に向いています。

また、日本の個別株式を保有していない人は、オールカントリーに投資することで日本株にも間接的に投資することが可能です。

今後、日本経済の成長に期待する人は、オールカントリーに投資することで、分散投資をしならが日本の成長による利益も享受することができます。

オルカン(除く日本)がオススメな人

オールカントリー(除く日本)は、日本経済にあまり期待していない人にオススメです。

日本は「少子高齢化・人口減少による社会保障や労働力不足」により「税・社会保険料の負担増加」や「消費減少」「補填するための財政赤字と政府負債」など構造的な問題があり、今後の企業の収益性に大きな影響を与える懸念があります。

また、1990年代からの株価は停滞しており、日経平均株価でいうと1989年12月29日から2024年2月22日まで市場最高値を更新できませんでした。

このような過去の背景や現状から、日本経済に期待できない(他の成長国に投資したい)という人には、日本への投資が含まれないオールカントリー(除く日本)がオススメです。

一方、既に日本株に投資を行っている人にも分散投資の点から「オールカントリー(除く日本)」はオススメできます。

迷ったらオールカントリーだけでいい

オールカントリーかオールカントリー(除く日本)のどっちかで迷ったら、オールカントリーをおすすめします。

なぜなら、先述の比較のとおり、オールカントリーとオールカントリー(除く日本)のどっちでも、リターン・手数料・投資先などの数値にほぼ変わりがないからです。
(主な違いは、投資先に日本株を含めるかのみ)

そのため、迷ってNISA投資を始められないくらいであれば、人気・知名度がある投資信託のオールカントリーだけを買うことをオススメします。

私も日本の個別株式を保有した上で、NISA投資に迷って様々な投資信託を買いましたが、つみたて投資枠はオールカントリーだけにしました。

ただし、それでも迷ってしまうなら、オールカントリーとオールカントリー(除く日本)の両方を半々で買ってしまうのも良いと思います。

どっちも似ている投資信託であり、値動き(チャート)もほぼ同じであることから、迷って何もできないくらいなら両方買ってNISA投資を始めることをオススメします。

NISAによる長期つみたて投資は、複利(時間)を味方につけて利益を増やしていく投資手法のため、早い方が有利です。

なぜ、日本を除くオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)があるのか

日本を除くオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)があるのは、「日本株式に既に投資している人が、日本を含まない投資信託をしたいため(ポートフォリオの分散)」だと考えられます。

ただし、オールカントリーかオールカントリー(除く日本)の「リターン・手数料・組入資産・投資先の国など」の条件がほぼ同じであり、違いはわずかであるため、そこまで気にしなくても影響は軽微だと思われます。

(統計学的には相関係数はほぼ+1であり、チャートの値動きはほぼ一致する)

オールカントリーとオルカン(除く日本)を比較する際のポイント

オールカントリーとオルカン(除く日本)を比較する際のポイントは、次のとおりです。

オールカントリーとオルカン(除く日本)の主な違いは「日本株式への投資割合」です。

そのため、投資先の国に日本を含めたいか否かが比較・購入判断のポイントになります。

先述のオールカントリー(除く日本)のメリット・デメリットを比較したうえで、好みの投資信託を買うのが良いでしょう。

なお、リターン・手数料は、オールカントリーとオルカン(除く日本)のどっちもほぼ同じであるため、比較する際にはあまり気にしなくても影響はほぼありません。

オールカントリーとオルカン(除く日本)に関するよくある疑問・回答

オールカントリーとオルカン(除く日本)に関するよくある疑問・回答をまとめました。


eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)のメリットは?

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)のメリットは、次のとおりです。

eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)のメリット
  • 全世界株式に分散投資が可能
  • 先進国・新興国のそれぞれの経済成長の恩恵を受けられる
  • 信託報酬(手数料)が低い
  • ファンドの規模が大きい
  • 日本経済への依存を回避できる

先述のとおり、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)とほぼ同じ投資信託であるため、オールカントリーと同じメリットを受けられます。

さらに、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)は、日本の個別株式にも投資している場合、日本への投資割合を下げる(集中させない)メリットもあります。

オールカントリーは日本を含むのか?

オールカントリーは日本を含みます。

オールカントリーは全世界の株式を対象として投資しており、その中で日本は先進国として約6%の比率で組入れられています。

なお、組入比率はベンチマーク(MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI))の動向により左右されます。

オールカントリーに日本が占める割合は?

オールカントリーに日本が占める割合は約6%です。

ただし、この割合は各国の経済成長やリスクに応じて、将来的に変動する可能性があります。

全世界株と日本株の割合は?

全世界の株式市場における時価総額を基準とした場合の割合は、全世界株が約90%と日本株が約10%です。

なお、オールカントリーの全世界株と日本株の割合は、日本以外の全世界が約94%で日本株が約6%です。
(2024年8月時点)

また、為替リスクやカントリーリスクを避けたい場合、円で運用する「日本の個別株式」や「日本を対象とする投資信託」など、日本株の比率を上げるものに投資するのがおすすめです。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は誠実ではない投資信託か?

「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」は、かつて誠実ではない投資信託という声がありました。

これは、投資信託ができた当初は「配当を含まないインデックス」をベンチマークとしていたためです。

しかし、実際はファンドが配当込み(複利を考慮)で運用していたので、実績はベンチマークよりも当然プラス要因で差異がでます。
(参考:第1期 運用報告書「当該投資信託のベンチマークとの差異について」)

将来利回りを計算して長期運用する投資家からしたら「想定外の変動」になるため、これが「誠実でない」と言われていた理由です。

もちろん、現在は明確に「配当込み」と記載されているので、上記の問題は解消されています。

オールカントリーの今後の利回りはどうなりますか?

オールカントリーの今後の利回りは、5%~10%程度になります。

なぜなら、先述のベンチマークのリターンのとおり、10年~20年超の長期投資では、過去からの推移を見ると5%~10%に落ち着く可能性が高いと判断されるからです。

なお、オールカントリーはMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)をベンチマークとしており、この指数は10年で約8%、23年で約6%のリターンとなっています。

(もちろん、今後もっと世界の経済成長が見込まれれば、リターンはより高くなります)

オールカントリーはどういう理由で下落しますか?

オールカントリーは約6割を米国に投資しているため、米国経済指標(GDP成長率・雇用統計・消費者物価指数など)が悪化すると、下落する傾向にあります。

(米国以外にも投資をしているので新興国の不況などの影響も考えられますが、下落に最も影響があるのは米国になります)

ただし、経済市場は好不況の波が必ずあるため、短期的には下落することもありますが、長期的に投資を続けることで歴史的(過去のチャート)には右肩上がりのリターンが得られる可能性が高いです。

emaxis slim 全世界株式(除く日本) でシミュレーションする場合、平均利回りは何パーセントですか?

emaxis slim 全世界株式(除く日本) でシミュレーションする場合、平均利回り(10年)は約8%です。

これは、先述のとおり、ベンチマークのリターン(過去データ)を参考にしています。

emaxis slim 全世界株式(除く日本)などの投資信託は、長期的にベンチマークに連動するように投資をするため、最終的にはベンチマークのリターンと近似します。

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、オールカントリーと違いますか?

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、オールカントリーと違います。

「オールカントリー(通称:オルカン)」は、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)を指します。

一方、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」は「オールカントリー(除く日本)」と呼ばれることもあります。

なお、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」と「オルカン」はリターン・手数料などがほぼ同じ投資信託であり、主な違いは「投資先に日本株を含めるか」だけです。

オルカン(日本除く)は、SBI証券でどのように買えますか?

「オルカン(日本除く)」は、SBI証券の口座を保有していれば、投資信託のページで買うことができます。

買う方法は「金額買付(〇〇円分を買う)」「口数買付(〇〇口を買う)」「積立買付(毎月設定した金額を機械的に買う)」の3つあります。

なお、NISAでもNISAでなくても、投資信託を買うことができます。


【比較表】オルカンとオルカン(除く日本)を分かりやすく比べてみた

eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
純資産額(ファンド規模)3兆8170億円5,119億円
平均利回り(リターン)【年率】16.22%14.76%
実質コスト【年率】0.113%0.116%
ポイント付与率【年率】
(SBI証券投資マイレージ)
0.0175%0.0175%
人気・知名度

(2024年8月16日 10:00 更新)

NISA投資をやるなら、SBI証券楽天証券の二択ですが、私なら断然SBI証券をおすすめします。

なぜなら、SBI証券は証券会社でも最も多くの利用者がいて(口座開設実績No.1)、投資初心者は「かんたん積立」のアプリで手軽に投信積立ができる点が魅力だからです。

また、オルカンとオルカン(除く日本)はどちらも優れた投資信託ですが、どっちか1つを選ぶとすればオルカンをおすすめします。

なぜなら、NISAでつみたて投資を行う場合、オルカンは投資信託の中で圧倒的な人気・知名度を誇り、多くの投資初心者に選ばれているからです。

実際、私自身もSBI証券のNISA口座で、つみたて投資枠全額をオルカンに投資してます(現在進行形)。

\ ネット証券の利用者数No.1

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