楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のどっちを選ぶ?違いを徹底比較!

楽天オルカンとemaxisオルカンどっちを選択

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は、どっちも全世界株式へ分散投資をする投資信託です。

また、投資信託のネーミングも似ているため、どっちを選ぶべきか迷う人も多いと思います。

そこで本記事では、楽天オルカンのメリット・デメリットeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のメリット・デメリットを比較し、楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)どっちがオススメか紹介します。

執筆者情報

1988年生まれ
公認会計士税理士

株式・投資信託・FX・仮想通貨・NISA・iDeCoなどの税務対応支援を行っています。
個人でも投資・ファイナンス理論を勉強し、株式投資やNISAつみたて投資をしています。


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目次

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の違いを比較

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の基本情報は、次のとおりです。

楽天・オールカントリーeMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
基本情報(ファンドの規模など)
純資産額(ファンド規模)2,126億円4兆2087億円
基準価格(1口あたりの値段)13,129円25,400円
連動対象(ベンチマーク)MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(円換算ベース)MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)
投資先
投資先の国米国(61.3%)
日本(5.2%)
英国(3.2%)
カナダ(2.6%)
フランス(2.4%)
スイス(2.1%)
ドイツ(1.9%)
オーストラリア(1.6%)
オランダ(1.0%)
デンマーク(0.8%)
米国(62.7%)
日本(5.4%)
イギリス(3.3%)
カナダ(2.6%)
フランス(2.5%)
スイス(2.2%)
インド(2.0%)
ドイツ(1.9%)
台湾(1.8%)
オーストラリア(1.6%)
その他
主な運用資産株式、ETF、株価指数先物取引
(いずれもMSCI ACWI指数と連動)
株式、株価指数先物取引
為替リスクありあり
NISAで買えるか?
つみたて投資枠
成長投資枠
買える場所楽天証券のみSBI証券・楽天証券など
(主要な証券会社で購入可能)
平均利回り(リターン)
平均利回り(リターン)【年率】25.97%16.22%
パフォーマンス(運用実績)
6ヶ月11.21%11.11%
1年28.30%
3年18.25%
5年19.86%
手数料
購入手数料なしなし
信託報酬【年率】0.0561%0.05775%
隠れコスト【年率】0.101%0.055%
実質コスト【年率】0.1571%0.113%
ポイント
ポイント付与率(年率)楽天ポイント0.017%楽天証券だと、ポイントなし
SBI証券の投資マイレージだと0.0175%

(2024年9月30日 12:00 更新)

上表を比較し、主要な項目についてそれぞれ解説します。

基本情報(ファンドの規模など)

楽天・オールカントリーeMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
純資産額(ファンド規模)2,126億円4兆2087億円
基準価格(1口あたりの値段)13,129円25,400円
連動対象(ベンチマーク)MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(円換算ベース)MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)
運用会社楽天投信投資顧問三菱UFJアセットマネジメント
設定日(ファンド設立日)2023年10月27日2018年10月31日
決算日7月15日4月25日
分配金毎決算時に、原則として収益分配方針に基づき分配。
(分配金再投資コースにすれば、eMAXIS Slimと同じ)
なし(自動再投資)

ファンドの規模は、楽天オルカンが2,126億円、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)が4兆2087億円であり、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の方が規模が約20倍も大きいです。

ファンドの規模が大きいと、それだけ多くの投資家から支持されていることを意味します。

また、規模が大きいほどファンドの運営コストが削減されるため、購入者の利益がその分増えます。

そのため、ファンドの規模で選ぶならeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の方がおすすめです。

なお、ファンドの規模が大きいと繰上償還(≒ファンドが解散)される可能性が低減され、安全性が高くなるといえます。
(繰上償還:簡単に言うと、ファンドの運営が成り立たなくなり、投資家にお金を返す行為)

繰上償還時点の財産は戻ってきますが、ファンドが解散した時点で損益が確定してしまうため(含み損だと元本割れの最悪な状態)、ファンドの規模が大きいに越したことはないです。

(NISAだと損益通算ができないので、損失が出ている時点で繰上償還されると、税金面で損をします。)

一方で、ベンチマークに目を向けると、楽天オルカンは「配当込み」ではないため、「配当を考慮しないインデックス」をベンチマークとして採用していると考えられます。

これは簡単に言うと、ファンドが配当を含めずに運用を行う(複利計算を考慮しない)ことを意味しており、単純に考えると、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)に比べて将来的なリターン(基準価格)は低くなります。

ただし、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)もファンド設立当初は「配当を含まないインデックス」をベンチマークとしていましたが、実際の運用は配当込み(複利効果を考慮したもの)で行われていました。
(参考: 第1期 運用報告書「当該投資信託のベンチマークとの差異について」)

また、全ての投資家が楽天オルカンの分配金を再投資する場合(分配金がゼロの場合)、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)と理論上の利回りは(手数料などの違いを除けば)将来的にほぼ一致すると考えられるため、それほど気にする必要はないかもしれません。

楽天オルカンは設立されたばかりの第1期目であるため、今後の動向に注目する必要があります。

投資先

楽天・オールカントリーeMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
組入資産および比率株式:85.5%
投資信託証券:7.7%
短期金融資産等:6.8%
国内株式(5.4%)
先進国株式(除く日本)(84.4%)
新興国株式(10.1%)
投資先の国米国(61.3%)
日本(5.2%)
英国(3.2%)
カナダ(2.6%)
フランス(2.4%)
スイス(2.1%)
ドイツ(1.9%)
オーストラリア(1.6%)
オランダ(1.0%)
デンマーク(0.8%)
米国(62.7%)
日本(5.4%)
イギリス(3.3%)
カナダ(2.6%)
フランス(2.5%)
スイス(2.2%)
インド(2.0%)
ドイツ(1.9%)
台湾(1.8%)
オーストラリア(1.6%)
その他
主な運用資産株式、ETF、株価指数先物取引
(いずれもMSCI ACWI指数と連動)
株式、株価指数先物取引
投資上位10銘柄
(銘柄・業種・比率)
iShares Core MSCI Emerging Markets ETF(その他)7.7%
APPLE INC(米国:情報技術)4.1%
MICROSOFT CORP(米国:情報技術)3.8%
NVIDIA CORP(米国:情報技術)3.3%
AMAZON COM INC(米国:一般消費財・サービス)2.2%
META PLATFORMS INC(米国:コミュニケーション・サービス)1.3%
ALPHABET INC(米国:コミュニケーション・サービス)1.3%
ALPHABET INC(米国:コミュニケーション・サービス)1.1%
ELI LILLY AND COMPANY(米国:ヘルスケア)0.8%
TESLA INC(米国:一般消費財・サービス)0.8%
APPLE INC(米国:情報技術)4.2%
MICROSOFT CORP(米国:情報技術)3.9%
NVIDIA CORP(米国:情報技術)3.4%
AMAZON.COM INC(米国:一般消費財・サービス)2.2%
ALPHABET INC-CL A(米国:コミュニケーション・サービス)1.7%
META PLATFORMS INC-CLASS A(米国:コミュニケーション・サービス)1.3%
TAIWAN SEMICONDUCTOR
MANUFAC(台湾:情報技術)0.9%
ELI LILLY & CO(米国:ヘルスケア)0.8%
TESLA INC(米国:一般消費財・サービス)0.8%
BROADCOM INC(米国:情報技術)0.8%
為替リスクありあり
通貨配分比率米ドル(55.0%)
円(5.6%)
ユーロ(5.0%)
英ポンド(2.9%)
カナダドル(1.8%)
スイスフラン(1.8%)
豪ドル(1.0%)
デンマーククローネ(0.8%)
その他
米ドル(61.6%)
円(5.3%)
ユーロ(4.6%)
英ポンド(3.5%)
カナダドル(2.6%)
スイスフラン(2.1%)
インドルピー(2.1%)
台湾ドル(1.7%)
その他

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は、どっちも先進国・新興国の株式に分散投資を行っています。

そのため、国別・業種別・通貨別・上位10銘柄などを見ても、ほぼ9割近く同じです。

ただし、主な違いは楽天オルカンはETFに投資している点です。

これは私の推測ですが、ETFを組み入れることで、コスト削減を実現し、ファンドの運用効率を向上させているのではないかと考えています。
(細かい話、リバランスの際には株式の売買手数料や管理コストが発生しますが、ETFを組み入れることでそれらのコスト削減を行っている)

リバランスとは

リバランスとは、投資ポートフォリオの資産配分を最初に設定した目標比率に戻す作業を指します。
(参考:SEC(米国証券取引委員会)

投資対象の価値(株価など)は時間が経つにつれて変動するため、初めに決めた資産配分のバランスが崩れることがあります。

例えば、最初に100円を株式50円・債券50円で投資したとします。
その後、株価が上昇して株式の価値が70円に増加すると、株式70円・債券50円の状態になります。

そうすると最初の資産配分のバランスが崩れるため、株式を10円売却して(70円→60円)、その資金で債券を10円購入する(50円→60円)ことで、元の資産配分(50:50)に戻します。

このように、資産配分を元に戻す行動がリバランスと呼ばれます。

NISAで買えるか

楽天・オールカントリーeMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
つみたて投資枠購入できる購入できる
成長投資枠購入できる購入できる
買える場所楽天証券のみSBI証券・楽天証券など
(主要な証券会社で購入可能)

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は、どっちも新NISAで買うことができます。

また、どっちも「つみたて投資枠」「成長投資枠」を利用することが可能です。

ただし、楽天オルカンは楽天証券のみでしか買えないため、楽天オルカンに投資したい人は必ず楽天証券でNISA口座を開設してください。

平均利回り(リターン)

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の平均利回り(リターン)は、次のとおりです。

楽天・オールカントリーeMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
平均利回り(リターン)【年率】25.97%16.22%
計算Excel計算根拠Excel計算根拠Excel

上記の平均利回りは、ファンド設立日(設定日)からの基準価格の推移を集計し、そこから幾何平均(複利計算を考慮)により算出しています。

計算結果を単純比較すると、一見すると楽天オルカンの方が9%近く良いように見えます。

ただし、楽天オルカンはファンド設立日から1年経過しておらず実績の積み上げ(データ数)が少ないため、データが蓄積されてくるとパーセンテージが大きく変動する可能性があります。
(なお、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は、5年超の実績がある投資信託です。)

なお、参考として、ベンチマーク(MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス指数)のリターンは下表の通りです。

ベンチマークのリターン
連動対象(ベンチマーク)MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)
1年23.44%
3年5.77%
5年12.14%
10年8.78%

※上表は更新日の関係から、最新の情報と乖離する可能性があります。
※「楽天オルカン」と「オルカン」はベンチマークとの連動を目指していますが、急激な相場変動などで差異が生じる可能性があります。

楽天オルカンは歴史が浅いファンドですが、長期的には、上記ベンチマークのリターンに連動(近似する)可能性が高いです。

運用実績(パフォーマンス)

楽天オルカンは2023年10月27日、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は2018年10月31日に設立されており、運用実績は次のとおりです。

楽天・オールカントリーeMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
6ヶ月11.21%11.11%
1年28.30%
3年18.25%
5年19.86%

上表は指定期間に対しての運用実績を表しています。

例えば、6ヶ月のリターンを求めるときには、リターンを計算する日から6ヶ月前の基準価格からいくら増減したかで%を計算します。

極端な例ですが、今日は7月1日で「1月1日の1,000円を基準価格」とした場合、7月1日に1,200円だと6ヶ月リターンは20%になります。
(同様に、1年だと1年前の7月1日、3年だと3年前の7月1日を基準価格としてパフォーマンスを計算)

上表の運用実績をみると、楽天オルカンもeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)もマイナスにはなっておらず、どちらも10%~20%超の高い運用実績を誇っています。

ただし、楽天オルカンはファンド設立日から日が浅くデータが少ないため、将来的にベンチマークと大きく差異(目標のリターンと実際の結果が大きく違ってくる)が出る可能性はゼロではありません。
(参考:企業年金連合会「トラッキング・エラー」)

手数料

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の手数料は、次のとおりです。

楽天・オールカントリーeMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
購入手数料なしなし
信託報酬【年率】0.0561%0.05775%
隠れコスト【年率】0.101%0.055%
(うち、売買委託手数料)0.022%0.006%
(うち、有価証券取引税)0.059%0.019%
(うち、その他費用)0.02%0.030%
実質コスト【年率】0.1571%0.113%

(隠れコストは、運用報告書(決算書)「1万口当たりの費用明細」より集計)

実質コストは、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の方が0.0441%低いです。

主な要因としては、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の方の隠れコストが0.046%低かったためです。

ただし、信託報酬に注目すると、楽天オルカンの方が0.00165%低いです。

これは、恐らく先述の投資先の違いが影響しており、楽天オルカンはETFや株価指数先物にも投資し、コスト削減などをしている成果だと考えられます。

そのため、楽天オルカンの実質コストは今後の推移が不明であるものの、今後規模がもっと大きくなれば楽天オルカンの実質コストは投資信託の中でも相当低くなるポテンシャルを秘めています。

もちろん、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)も競合の投資信託の動きを見て、手数料を下げる可能性があります。

ポイント

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のポイント付与率は、次のとおりです。

楽天・オールカントリーeMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
ポイント付与率(年率)楽天ポイント0.017%
(10万円あたり17円)
楽天証券だと、ポイントなし
SBI証券の投資マイレージだと0.0175%(10万円あたり17円)

これらのポイントは、「毎月の投資信託の残高」に応じて毎月貰えます。

上表をみると、楽天オルカンでは楽天ポイントが0.028%付与されます。

一方、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)はSBI証券であれば0.0175%が付与されます。
(ただし、楽天証券だとポイントなし。)

両者の差は僅か0.0005%(10万円あたり0.5円)であり、NISAの投資枠内(1,800万円)で考えるとポイントの優劣はほぼありません。
(20年超のスパンで考えても、両者の差は数万円しかない。)

そのため、ポイントの比較のみで投資先を決めることはないといえます。

楽天オルカンのメリット・デメリット

楽天オルカンのメリット・デメリットは、次のとおりです。

楽天オルカンのメリット 楽天オルカンのデメリット
信託報酬(手数料)が低い
今後の伸びしろがある
楽天ポイントが付く
全世界に分散投資している
楽天証券口座がないと買えない
ファンド設立日から日が浅い
S&P500よりリターンが低い
新興国のリスクを含んでいる

以下、それぞれ解説します。

楽天オルカンのメリット

楽天オルカンのメリットは、以下のとおりです。

楽天オルカンのメリット解説
信託報酬(手数料)が低い信託報酬は0.0561%であり、これはeMAXIS Slim(S&P500,オルカン)や楽天S&P500より更に低い水準で、証券会社のランキング上位に連ねる投資信託の中でも最安です。
長期投資は複利で資産を増やしていく投資手法なので、手数料が低い分だけ将来のリターンが大きくなります。
今後の伸びしろがある楽天オルカンは2023年10月27日に設立されたファンドであるにも関わらず、楽天証券の投資信託人気ランキングで4位に入っています。多数の個人に購入されており、純資産額(ファンドの規模)も成長中です。
一般的に、ファンドの規模が大きくなるほどスケールメリットにより隠れコストが減ります(実質コストも減る)。そのため、楽天オルカンの実質コストは将来的に更に低くなることが期待できます。
楽天ポイントが付く楽天オルカンは楽天ポイントが「毎月の投資信託の残高」に応じて毎月約0.0014%(年率0.017%÷12ヶ月)付与されます。
全世界に分散投資している楽天オルカンはS&P500とは異なり、先進国・新興国に幅広く分散投資しています。そのため、特定の国に依拠しない分、為替リスク・カントリーリスクを軽減できます。

以上のとおり、NISA長期投資をするにあたって、これらは大きなメリットです。

楽天オルカンのデメリット

楽天オルカンのデメリットは、以下のとおりです。

楽天オルカンのデメリット解説
楽天証券口座がないと買えない楽天オルカンは楽天証券のみでしか購入できません。そのため、楽天オルカンでNISA投資をしたい人は、必ず楽天証券のNISA口座を開設する必要があります。
ファンド設立日から日が浅い楽天オルカンは2023年10月27日に設立されたファンドです。そのため、まだ十分な実績値が無く情報が少なく、将来的にもちゃんとベンチマーク(MSCI ACWI)に連動する値動きになるかは分からない部分があります。
S&P500よりリターンが低いS&P500は経済力トップ(GDP1位)の米国の中でも、特に代表的で時価総額が高い500社で構成されています。一方、楽天オルカンは新興国を含む幅広い国の株式にも投資を行うため、S&P500よりリターンが低くなりやすいです。
新興国のリスクを含んでいる楽天オルカンは新興国を含む多様な国々に投資を行うため、新興国リスクを含んでいます。そのため、政治や経済、為替、金利、法規制、財政などの影響で急激に価格が変動し、利益を得るチャンスがある一方で、損失を被る可能性もあります。しかし、オルカンの約6割が米国株式で構成されているため、新興国の影響による急激な損失リスクは抑えられています。
(参考:日本銀行「新興国への資本フローを巡るリスク」)

以上のとおり、NISA長期投資をするにあたって、これらはデメリットとなります。

eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のメリット・デメリット

eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のメリット・デメリットは、次のとおりです。

eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のメリットeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のデメリット
信託報酬(手数料)が低い
ファンドの規模が大きい
全世界に分散投資している
S&P500よりリターンが低い
新興国のリスクを含んでいる

以下、それぞれ解説します。

eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のメリット

eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のメリットは、以下のとおりです。

オルカンのメリット解説
信託報酬(手数料)が低いオルカンの信託報酬は0.05775%であり、楽天オルカンに次ぐ低さです。
また、実質コスト(信託報酬と隠れコストの合計)は0.113%と投資信託の中でもかなり低いため、長期的に投資が続けやすいです。
なお、信託報酬(インデックスファンド)の目安は、一般的には0.1%~0.3%程度であり、オルカンが相当安いことが分かります。
(参考:金融庁「教えて虫取り先生 – 信託報酬率の分布」)
ファンドの規模が大きいファンドの純資産額は3兆7,592億円であり、投資信託の中でもeMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)に次ぐ規模です。
ファンドの規模が大きいほどスケールメリットにより手数料(実質コスト)が低く抑えられます。
全世界に分散投資している先進国や新興国に幅広く分散投資しているため、特定の国に偏らないことで「為替リスク」や「カントリーリスク」による値動きの影響を抑えることができます。

以上のとおり、NISA長期投資をするにあたって、これらは大きなメリットです。

eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のデメリット

eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のデメリットは、以下のとおりです。

オルカンのデメリット解説
S&P500よりリターンが低いS&P500は、経済規模で世界一の米国の企業500社で構成されています。一方、オルカンは新興国を含む様々な国の株式に投資分散を行うため、S&P500と比較してリターンが低くなる傾向があります。
新興国のリスクを含んでいるオルカンは新興国を含む様々な国にも投資をするため、新興国リスクを含みます。そのため、政治・経済・為替・金利・法規制・財政などの要因で急激に値動きが発生し、利益を得るチャンスもありますが、逆に損してしまう結果になる可能性もあります。ただし、オルカンの6割は米国株式で構成されているため、新興国の影響で急激に損失になるリスクは抑えられています。(参考:内閣府「新興国経済のリスクと可能性」)

以上のとおり、NISA長期投資をするにあたって、これらはデメリットとなります。

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のどっちがオススメ?

「楽天オルカン」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」はどっちも全世界株式に投資しており、投資信託の内容が似ていますが、それぞれ次のような人にオススメです。

楽天オルカンがオススメな人eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)がオススメな人
楽天ポイントを貯めたい人
楽天経済圏を活用する人
信託報酬を低くしたい人
今後のリターンに期待したい人
投資信託に安全性を求める人
失敗を避けたい人
人気商品に投資したい人
楽天証券以外でNISA口座を開設する人

以下、それぞれ解説します。

楽天オルカンがオススメな人

楽天オルカンは、楽天経済圏を活用している方にオススメです。

なぜなら、楽天カードを使ったクレカ積立(つみたて投資)が可能でさらにポイントが貯まりやすく、ポイントを楽天アカウントでまとめて管理できてラクだからです。

さらに、信託報酬がeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)よりも低く設定されているため、投資コストを長期的に抑えたい方にも適しています。

また、楽天オルカンは比較的新しいファンドですが、楽天証券の投資信託ランキングで4位に位置しており、将来的な成長や手数料の更なる改善が期待されます。

eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)がオススメな人

eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は、安全性や実績を重視する投資信託を選びたい人にオススメです。

なせなら、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は5年以上の運用歴を持ち、多くの人に支持されている人気ある投資信託だからです。

そのため、ファンドの規模や運用実績は楽天オルカンよりもあります。

さらに、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は楽天証券の買い付けランキングでも2位を誇るため、大きな失敗を避けたい人は人気を集めているeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の購入をおすすめします。

迷ったら楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の両方を買うべき

「楽天S&P500」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のどっちを買うかで迷ったら、両方買うことをおすすめします。

なぜなら、迷って何もできないくらいなら、両方買ってNISA投資を始めた方が、長期投資で有利になるからです

NISAは長期投資を基本とし、時間を味方につけて複利の効果を活かし、資産を増やすことが非常に大切です。
(参考:金融庁「資産形成の基本 – 長期投資」)

そのため、少額でも早くから投資を始めることが重要です。
(少額なら、もし自分に合わないと感じた場合でも、損失を最小限に抑えることが可能。)

私も投資信託などでどれを選ぶか迷ったら、100円~1,000円で試しに購入し、様子を見ます。

なお、楽天証券は100円から投資信託を購入可能なので、まずは100円で様子を見ることをおすすめします。

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)を比較する際のポイント

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)を比較する際のポイントは、次のとおりです。

手数料やリターンは、複利計算で非常に重要なため、可能な限り低コスト・高リターンの商品を選ぶことをオススメします。

この点、楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の手数料・リターンを比較すると、前述のとおり信託報酬の面で楽天オルカンの方が優れています。
(ただし、実質コストについては、初回決算を迎えていないため未知数。)

一方、ファンドの規模・実績で判断するならばeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の方がおすすめです。

純資産額が楽天オルカンより21倍近くあり、楽天オルカンより5年も長い運用実績を持つため、安全性を重視するならeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)が良いでしょう。

楽天証券でのオルカンの買い方

楽天証券でのオルカンの買い方は、次のとおりです。


STEP
楽天証券サイトにログインし、メニューから「投資信託」にアクセス
楽天証券のメニュー画面

楽天証券にログインし、メニュー画面から「投資信託」を選択します。

STEP
「探す・購入」からファンド名を検索し、購入ボタンを押す
楽天証券の買い方メニューで投資信託を探す
楽天証券のオルカン購入画面

「オールカントリー」と検索すれば、楽天オルカンとオルカンの両方が候補に出てきます。

なお、つみたて投資をする場合は、「購入」ではなく「積立投資」を選択します。

STEP
買付金額を入力する

オルカン(もしくは楽天オルカン)の買付したい金額を入力します。

楽天証券では、投資信託を100円から買うことができます。

STEP
口座と分配金コースを選択する
楽天証券の分配金コース選択

口座は「一般」「特定」がありますが、自分で確定申告をしない場合は「特定」を選びます。
(通常は「特定」でOKです。)

なお、NISA口座で購入する場合は、NISA口座を選択しましょう。

分配金コースは、長期投資の場合は通常「再投資型(複利で増やす)」でOKです。

STEP
最終確認画面で取引パスワードを入力し、購入完了
楽天証券の購入確認画面

購入画面を確認し、間違いがなければ取引パスワードを入力し、「注文する」ボタンを押します。


以上が楽天証券でのオルカンの買い方になります。

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)に関するよくある疑問・回答

楽天オルカンとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)に関するよくある疑問・回答をまとめました。


楽天オールカントリーと楽天全世界の違いは何ですか?

楽天オールカントリーと楽天全世界株式は、全世界株式を対象とする点は同じですが、投資する株式の対象が異なります。

楽天オールカントリーは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス指数に連動するように、時価総額の高い大型株・中型株に投資されます。

一方、楽天全世界株式はFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス指数に連動するように、小型株にも投資を行います。

(参考:東証「大型株」「中型株」、投資信託協会「中小型株」)

eMAXISとeMAXIS slimどっちが得?

長期投資であれば、eMAXIS slimの方が得です。

なぜなら、eMAXIS Slimの方が手数料が低く、その分だけリターンが高くなるからです。

なお、eMAXISとeMAXIS Slimの違いは「買える場所(販売会社)」や「取り扱い商品数」であり、eMAXIS Slimは買える場所と商品数を限定することで手数料を安くしています。

オルカンと組み合わせるなら何がいいですか?

オルカンと組み合わせるなら、オルカンと逆の値動きをする金融商品や米国株式以外の商品(債券など)が良いです。

なぜなら、分散投資で組み合わせを行う場合、どっちか片方が潰れても、もう片方が儲かるように全体のリスクを低減させることが重要だからです。

この点、オルカンは全て株式への投資であり、米国への投資割合が6割を超えているため、オルカンと組み合わせるなら「株式以外」「米国以外」といったものが良いでしょう。

例えば、添付のExcelはオルカンとS&P500の組み合わせですが、相関係数がほぼ+1で同じ値動きをするため、分散投資としては望ましくない組み合わせになります。

オルカンとS&P500のチャートの相関関係

参考:相関関係・チャートデータExcel

楽天オルカンの隠れコストはいつわかる?

楽天オルカンの隠れコストは、運用報告書(決算報告書)が公表されたタイミングでわかります。

具体的には、楽天オルカンの決算日は7月15日であり、7月15日終了時点の数値で決算作業が終わった後、運用報告書が公表がされた日に隠れコストの実績値がわかります。

(参考:一般社団法人投資信託協会「運用報告書」)

楽天オルカンのポイントは何パーセント還元される?

楽天オルカンの投資信託は、毎月のオルカン残高に対して、楽天ポイントが毎月約0.0014%(年率0.017%÷12ヶ月)が還元されます。

また、クレカ積立をしていた場合は、さらに楽天カードのポイント(通常1%)も貯まります。

楽天オルカンは評価されていますか?

楽天オルカンは、信託報酬の安さで一定の評価を受けています。

楽天証券の投資信託のランキングでは5位以内の上位の人気であり、信託報酬の水準も楽天オルカンの方がeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)よりも0.00165%低い水準です。

楽天オールカントリーとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の違いは?

楽天オールカントリーとeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の違いは、主に「ファンドの規模」「運用資産」「購入できる場所」「ポイント」が挙げられます。

楽天オールカントリーオルカン
ファンドの規模2,126億円4兆2087億円
運用資産株式、ETF、株価指数先物取引株式
購入できる場所楽天証券のみSBI証券・楽天証券など
(主要な証券会社で購入可能)
ポイント楽天ポイント0.017%楽天証券だと、ポイントなし
SBI証券投資マイレージ0.0175%

(2024年9月30日12:00 更新)

詳細は先述の比較表で解説しています。


【比較表】楽天オルカンとオルカンを分かりやすく比べてみた

楽天・オールカントリーeMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
純資産額(ファンド規模)2,126億円4兆2087億円
平均利回り(リターン)【年率】25.97%16.22%
信託報酬【年率】0.0561%0.05775%
実質コスト0.1571%0.113%

(2024年9月30日 12:00 更新)

NISA投資は、私は断然楽天証券をおすすめします。

なぜなら、楽天証券はNISA口座の開設者数が最も多く、楽天オルカンは楽天証券でしか購入できないからです。

そのため、楽天オルカンとオルカンのどっちにするか迷っている人は、迷わず楽天証券を選ぶべきです。

また、楽天オルカンとオルカンはどっちも良い投資信託ですが、どっちか1つを選ぶならオルカンをおすすめします。

なぜなら、オルカンは圧倒的な人気と知名度を誇り、多くの投資初心者に選ばれているからです。

そのため、情報が容易に入手でき、実績や評判が確立されているため、投資初心者でも安心して選択できる投資信託です。

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